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2009年03月30日

調兵山でSL(火車)を運転してきたよ!

瀋陽の北の方の町(村?)では、まだ生活路線でSLを使用している所があるというのはもう何年も前から耳にしていました。
(一部の鉄オタには「聖地」と呼ばれているらしいです)
昨年、撫順でSLを見かけてから、どうしてもまたSLを見たい!と思い、色々情報収集していました。

そのうちに、なんとそこ、調兵山ではSLの運転体験までできるという情報を入手し、
いてもたってもいられなくなったかえる君は旅行会社で早速手配をかけました。

さすがに子パンダを連れて田舎の町に1泊するわけにもいかず、前日に瀋陽入りしました。

かなりの超大作なので、続きを読むでどうぞ。

朝6時半、旅行会社手配のチャーター車に乗り込み、瀋陽から一路調兵山へ向かいます。
約1時間半後、調兵山に到着しました。
小雨がぱらついたりしましたが、なんとか天気ももちそうで一安心です。

調兵山駅
調兵山の駅です。
田舎の普通の駅ですね。
この駅舎の2階に今回お世話になる旅行社が入っています。

火車頭旅行社
今回お世話になった火車頭旅行社です。


時刻表その1 時刻表その2
駅の構内には時刻表が貼り出されています。
今は全てのダイヤがSLでの運行ではないようです。
駅に着いたのが8時過ぎなので、この時間帯を過ぎたら昼まで待たなければいけないところでした。

調兵山駅ホーム
とりあえず、あと10分位でSLが来るよとのことだったので、ホームに出てみました。
スチーム式給炭車
ホームにはスチーム式給炭車が止まっていました。これも広い意味ではSLですね。

SL来たー どんどん来たー

ピーという汽笛の音を立てながら、SLがホームに向かって入ってきました。
白い蒸気を吐き出しながらこちらへ向かって走ってくるので感動です。

近くに来たー 通り過ぎたー
ホームに入ってきたのは上遊型というSLです。
撮影しているこちらの真横を通り抜けて、停車しました。
小型のSLながら、かなりの迫力です。

人が降りてきた もう切り離された
列車がホームに停まると、乗客がたくさん降りてきました。
本当に生活路線として使われているんですね。
そして乗客が降りると、すぐに先頭車は切り離されます。

後ろ向きで走ってます
切り離されたSLは後ろ向きでこちらの方向へ戻ってきます。

SLかっこいい しばし休憩
やはりSLはカッコいいですね。
遠いところまで見に来たかいがあります

給水してます 給炭してます
戻ってきたSLは給水、給炭を始めました。
先ほどの給炭車も活躍しています。

ディーゼル来ました またディーゼル来ました
しばらくすると、ディーゼル車に牽引された列車も入ってきました。
もう何年かすると、SLも消えてしまう運命にあるのでしょうか?

ゴミ箱もSL
ふと見ると、ゴミ箱もSLの形をしていました。
なかなか可愛いものですね。

またSL来ました 結構すぐ切り離します
またSLがホームに入ってきました。
今度の先頭車も上遊型です。
現在運転されているSL車両はすべて上遊型で、3輌とのことです。
入ってきたと思うと、すぐに切り離されます。


その後、大青にある博物館に車で向かいました。
ここはSLに関する展示と、実際の車両を陳列している博物館になります。

蒸気機関車博物館
まずは、蒸気機関車博物館に突入です。

中国ロケット号模型
まず玄関には「中国ロケット号」の模型が飾られていました。
イギリス製のSLで、レプリカが瀋陽の蒸気機関車博物館にあるらしいです。

踏切
中はなかなか充実した展示です。
踏切なんかもあって、雰囲気満点です。


写真や絵の展示もあります。
明治の香りがする絵
この絵なんかは、明治時代っぽいテイストですね。
やたらに極彩色です。

かっこいいけど寒そうな写真
こんなカッコいい写真を撮るには、やっぱり冬でなければいけないそうです。
澄んだ空気と青空に蒸気が映えるとのことです。

実機展示
博物館のど真ん中には上遊型のSLが保存されていました。
かえる君も博物館を満喫しています。


その他の展示もなかなか充実しています。

動輪模型動いてます
動輪の模型です。
ピストンの動きをどのように動輪に伝えるのかが分かるようになっています。

日本製蒸気機関車
日本製蒸気機関車の写真。
あじあ号の写真も見えますね。
「パシナ」が誤植で「パシサ」になっていたのですが、鉛筆で訂正されていました。
この「パシナ」は瀋陽の蒸気機関車博物館に保存されているのですが、まだ正式開館してないのが残念です。

先ほどの上遊型の内部に入れるので、入ってみました。

運転室内部 かえる君も運転予習
運転席は結構狭いです。
かえる君は同行のガイドから運転の簡単な運転の予備知識を教えてもらっています。

ブレーキと方向転換期 アクセルと計器類
左の写真が、ブレーキ、方向転換関係。右の写真がアクセル、計器類になります。

これで予行演習もバッチリ(?)です。

昭和11年大連工場の銘板 KDの銘板
銘板も色々展示されています。
左は昭和11年の年号と大連工場の入っている銘板で、右はKDの銘板です。
KDは1943年にアメリカで生産されたSLで、援蒋物資の一部です。
本当はKDも見学したかったのですが、メンテナンス中で見学できませんでした。残念。

ぎっこんばったん体験
ぎっこんばったん(と呼ぶのか?)でも遊ばせてもらいました。
これもなかなかできない体験ですね。

SL結婚式! 映画撮影にも使われました
SL結婚式(!)や映画撮影の広告なんかも飾ってあります。
SLを観光資源として有効活用しようとして頑張っていますね。
でもアクセスがあまり良くないのが玉にキズです。

さて、博物館を出て、陳列館に向かいます。
陳列館は博物館のすぐ裏手にあります。

メンテ中のSL
陳列館に向かう途中に、修理中のSLがいました。
後から思うとこれがKDだったかも・・・

蒸気機関車陳列館
蒸気機関車陳列館の外観です。
なんだか平べったいですね。
それもそのはず、線路の上にSLを停めて、トタンの屋根と壁をかぶせただけですから。

入り口は妙に立派
入口は結構立派です。

上遊(SY)と躍進(YJ) 建設(JS)
中は結構薄暗いです。
っていうか隙間から自然光が入っているだけです。
一応照明らしきものは付いていますが、人数が少ないからか、つけてはいませんでした。
左の写真に映っているのは、左が躍進(YJ)型、右が上遊(SY)型です。
右の写真は建設(JS)型です。
前と後ろの車両がくっつき過ぎていて、なんだかうまく写真の取れない陳列館でした。
見やすいレイアウトなんかは考えられていないようです。
北京の鉄道博物館とは大きく違いますね。

ここも駅でした
良く見たら、陳列館の場所も駅でした。
時刻表には無いので、恐らくメンテナンス用のみの駅なのでしょう。
ここにもSL型のごみ箱が置かれていました。
(誰が使うのでしょう?)

ミニSL。本当に動きます
陳列館の近くの車庫にミニSLがいました。
本当に石炭で走るとのこと。
子パンダが離れたがらずに泣いて困りました。

東方紅
東方紅が止められていました。多分映画撮影か何かで使われたんだと思います。

そこで、今回のメインイベントであるSL運転の時間が来たので移動することになりました。
チャーター車で王千駅へ向かいます。
王千駅は調兵山から出ている路線の終点のうちの一つで、
王千駅と次の暁南駅の間を運転することになります。
行ってみれば仕事の間の小遣い稼ぎって感じでしょうか?

王千駅に着きました 上遊1771 これを運転します
王千駅についてみると、既に運転するSLが停車して待っていました。
待っていたのは上遊1771号、今朝写真を撮りまくった機体です。

石炭燃えてます!
早速乗り込むと、石炭がアカアカと燃えています!まさに火車です!
石炭の燃える熱と車体の振動でSLの運転席にいることを実感します。
子パンダはちょっとビビって泣き出してしまいましたが、
暖かさと振動で、なんと眠ってしまいました。

弁当保温中
カマの上には運転士さん達のお弁当が置いてありました。
ちょうど保温状態になっているんですね。

運転してます!
さあ、SLを実際に運転してみます!
出発の汽笛をならして、ガタゴト走り始めます。
始めは後ろ向きでしばらく走らせ、その後ブレーキをかけて反対方向に走らせます。
畑のど真ん中を行くので、線路の上に人や馬がいたりして、結構スリルがありますが、
ガイドさんが付いていてくれるので安心です。

かえる君恍惚状態
かえる君も長年の夢がかなって恍惚状態です。
頑張って遠くまできてよかったな〜。

車窓はこんな感じ。馬もいました
外の風景はこんな感じです。
トウモロコシ畑か何かでしょう。
まだシーズン前なので荒涼としています。

運転席
運転席はこんな感じです。
結構視界が狭いです。

1時間弱で夢のSL運転体験は終了しました。
満喫した後はSLの客車に乗って調兵山へ帰ります。

暁南駅です
暁南駅に着くと、すでに列車は到着していました。

後姿もカッコイイ
良く見ると、上遊1771号です。
先ほど運転したSLに牽引された客車で調兵山へ帰ります。
後ろ姿もカッコいいですね。

車内は硬座のみ 石炭ストーブ
車内は直角な硬座のみで、スローガンが掲示されています。
この車両は石炭ストーブが入っていて、暖かったです。

車窓にボタ山
乗り込んでしばらくすると、列車は出発しました。
車窓からはボタ山がいくつか見えてきます。
炭鉱の町なんだなーという感じですね。

途中の駅では家族連れや小学生なんかも乗車してきます。
SLが本当に生活に密着していることがわかります。

十数分で調兵山に到着しました。

さようなら調兵山、また今度
最後に上遊1772号の写真を撮って、調兵山を後にしました。
1772号は1999年製造の最も新しいSLで恐らく最後のSLになるとのことです。

こうして長年の夢だったSL運転の旅も終わってしまいました。
大連に赴任している間に、日本では鉄道博物館が開館したりブルートレインが次々と廃止されたりと、
なんだか取り残されている感がありますが、なんとか鉄分を補給しながら、頑張っていこうと思います。
もちろんパンダちゃんと子パンダも一緒でしたが、今回は、カメラマン(自分)が夢中になり過ぎて、かえる君(もほとんど無いけど)の写真しか撮ってなかったのが最大の反省点です。

投稿者 しん : 2009年03月30日 22:37 | [ カテゴリ : 中国 , 鉄道 ]

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コメント

はじめまして。
いつも楽しく拝見しておいります。
調兵山の記事大変興味深く拝見させて頂きました。
私も以前から調兵山鉄道に興味がありいろいろと調べていましたが、日本に居り情報も乏しい状態です。
もしよければ私もSLを運転してみたく思っておりまして、どこかの旅行者に申込むとは思うのですが、その申込み方法などお教えいただけないでしょうか?
よろしくお願い致します。
これからも楽しい記事楽しみにしています。

投稿者 myadidas : 2009年05月13日 12:30

myaddidasさん
はじめまして。

僕たちは「吉林省青年旅行社」で手配をしました。
http://www.cyts-jl.com/

日本語担当の劉さんという女性がいます。
携帯:86-13009123888
社内にSLツアー手配経験者がいますので、親切に手配してくれると思います。

中国語に問題がなく、直接交渉を希望されるのであれば、「遼寧火車頭旅行社」に連絡をしてみるのも一つの方法かと思います。
http://www.steam-locomotive.cn/index/index.asp
今回の旅行も「吉林省青年旅行社」経由で「遼寧火車頭旅行社」に依頼されていました。

本当に堪能するには、調兵山に1泊したほうが良いと思います。

投稿者 しん : 2009年05月13日 22:40

こんばんは。
早速のお返事ありがとうございました。
参考にさせていただきます。
お手数お掛け致しました。
真冬に行こうかと無謀なことを考えています。

投稿者 myadidas : 2009年05月14日 21:57