« ACL第2節 大連実徳 - 全北現代 | Main | 一時帰国し(て)たよ 第6節 ジェフ千葉戦 »

2006年03月26日

中超第3節 長春亜泰 - 大連実徳

長春亜泰 2-1 大連実徳

行ってきました!!!
パンダ、衝撃の(?)中超デビュー!しかも、いきなりアウェイ!!
試合は負けてしまいましたが、かなり刺激的な週末でした。

続きを読むでどうぞ。

事の発端は、慣れない異国での生活によるストレスと、少々物足りない毎日の繰り返しに飽きてきたところに、
「そうだ!私にはサッカーが必要だ!!」
と天啓が降りてきたところから始まります。
今週末はアウェイの長春ですが、先週のホーム開幕戦は見逃してしまったし、次は平日の昼間だし、来週もまたアウェイ(しかも直行列車なし)なので、意を決して長春に行くことにしました。

今度は騙されないように、ウェブで何度も日程を確認しました。長春まで行って日程が違っていたら目も当てられないですからね。
試合は日曜日なので、土曜日の夜行で行きます。
その前日の金曜日、かえるくんが去年名刺をもらった大連のウルトラの隊長の携帯にメールしてみました。
「今週日曜日の長春の試合に行きますか?」
すると、ものの30秒もたたないうちに
「おぅ、お前は?」
というメールが返ってきたのです!!衝撃。
他のメンバーも同じ列車で行くとのことで、勝利広場のケンタッキーで夜7時に会う約束をしました。
もうその日は心臓がバクバクしてろくに眠れませんでした。

翌土曜日、約束の時間にケンタッキーに行くと、もうサポーターがすでに何人か集まっていました。
私たちがご飯を食べて待っている間にも、どんどん人数は増えていきます。
総勢30名超になって、みんなで一斉に隊員服を着て駅に向かいました。
出発!

駅に着くと、クラブの球迷部の部長さんが球迷たちの列車のチケットを持って待っていました。
フロンターレで言うと、T中さんかA野っちが華族主催の弾丸ツアーの手配をしてるみたいな感じでしょうか?シチュエーションが面白すぎます。
先頭車まで行けませんでした

無事列車が出発して、車掌さんが切符を見に来た後で、球迷たちの車両に遊びに行ってみました。
球迷たちは、硬座という一番安い席です。10時間も硬くて背もたれが直角な席に乗って応援に行くなんて、アツイですね。
私たちが行ったときには、すでに遠足状態でトランプをしていたのですが、そのうちトランプを片付けて、コールリーダーによるメンバー紹介タイムが始まりました。
パンダ、ピ〜ンチ!
しかし、かえるくんが去年すでにデビューしてたので、そのオマケみたいな感じでなんとか乗り切りました。ふー。
大人数とはいえ、一車両まるごと貸切りでもないので、かなり周りの乗客には迷惑だと思うんですが、ま、誰も気にしてませんでした。
硬座の車両は3-2の5人掛け

ひとしきり紹介タイムが終わって落ち着いたようなので、自分の席に戻りました。
今回は、軟臥という一等寝台にしました。それでも2,600円くらいです(球迷の硬座は850円)
球迷は硬座なのに、球迷部の部長が私たちと同じ軟臥だったのが、なんか面白かったです。
一等寝台というだけあってベッドが軟らかいだけでなく、お湯やトイレの紙などさまざまな設備が整っていて快適です。
各コンパートメントに魔法瓶もあります。ベッドも軟らか 軟臥だとこんな遊びもできます

朝6時半、長春に到着!寒いっ!!
ここ最近大連はわりと暖かくなってきたのですが、長春は内陸なのでかなり寒いです。しかしほとんどの球迷がGジャンとかペラい上着しか着ていない、または隊員服(化繊のシャツ)のみ。信じられない!
長春駅

長春駅を出ると、なんと長春チームの球迷会の人が大型バスで迎えに来ていました。サポ間の抗争とかはないみたいです。
長春の球迷が手配してくれたバスに乗り込み、朝ご飯を食べに行きました。
ピータンの入った八方粥がなかなか美味でした。ところでこのお金を払ってないんですが、大丈夫だったんでしょうか。
球迷のバス

その後、再びバスに乗り込み吉林大学のサッカー場に移動します。長春の球迷たちと試合をするようです。
そのバスの中で、長春サポが長春市内の説明をしていました。長春は昔「新京」と呼ばれ、満州国の都だったところで、当時の建物がとてもたくさん残っています。
中国語がほとんど分からないながらも、何度も「日本」という単語が出てきて、とても複雑な気持ちになってしまいました…

せっかく長春に来て観光をしたかったので、私たちはサッカーは遠慮して別行動。
満州国皇宮博物院というところに行きました。入ってすぐ「9.18を忘れるな」という石碑があります。満州事変の日です。
皇宮博物院

溥儀が使っていた部屋などが再現されています。
溥儀が寝てたベッドとか 溥儀に謁見する部屋とか

各展示には、中国語、英語、日本語で説明があったのですが、”傀儡国家”のことを英語でパペットというのは知りませんでした( ゚ o ゚ )
Puppet Manchuria

それはともかく、おじいちゃんくらいかもっと上の年代の人にとっては懐かしく感慨深いのでしょうが、私たちの世代から見ると、正しい歴史認識の上に両国の新しい歴史を作っていくしかない、と改めて考えさせられます。
ここでかえるくんは、満州国の紙幣、兌換券などをお土産に購入。本当にこういうグッズが好きですね、かえるくんは。
値切って買ったけど、多分まだボッタくられていたと思われます。
満州国グッズ

博物院を出て、タクシーで再び球迷のところに戻りました。
ちょうどその吉林大学の隣が国務院だったので、写真だけ撮りました。ここは満州国の最高行政機関だったそうです。
日本式の瓦屋根とその下の部分の大陸っぽい建物の組み合わせが「興亜式」というものだそうです(かえるくんの受け売り)
国務院

着いた直後に大連側がオウンゴールで得点して盛り上がりましたが、周りの人にトータルのスコアを聞くと、2−2だという意見と2−3だという意見に分かれてました。
ま、楽しければいいのでしょう。
赤が長春、水色が大連 スコアは結局不明(笑)

試合が終わると、これまた長春の球迷が手配してくれたお弁当が配られました。見た目よりはおいしかったです。
このお弁当のお金も払ってないんだけど…汗。

長春の球迷と大連の球迷が2回に分かれてバスでスタジアムへ移動。
長春の体育場です

先に着いた長春の球迷が、もうスタジアムの前で太鼓を鳴らして気合を入れていました。
大連コールもしてくれたので、大連もお返しにエール交換などをして、もう大変な盛り上がりようです。
そのうち、大連・長春入り乱れて輪になって肩を組んで歌いだします。もう何がなんだかワケが分からない。しかしかえるくんは率先して参加してました。
おっと、目が合っちゃいましたね 敵味方入り混じって歌ってます

そんなこんなで開門時間になり一般客が中に入り始めているのに、一向に球迷は移動しなくて、大丈夫かな〜と思っていたら、なんと
「一番安い20元のチケットが売り切れたから30元のを買うしかない」
と球迷部の部長が言ってきました。
そんないつまでも遊んでるからだよ〜と思ったのですが、みんな
「そんな高い券を買うのはイヤだ!」
と文句を言っていて、ますます試合開始時間が迫ってきます。
そしてとうとうあと10分をきった頃、諦めてみんなで入場しました。

中に入ってみると、スグ後ろに警官が何十人もいる席で、十分なスペースもなく、球迷たちは
「こんな席じゃ応援できない!ゴール裏を開けろ!」
と交渉を始めました。確かに、ゴール裏を閉鎖していたので30元のチケットしかなかったのでした。
場内に入っても予断を許さず
執拗に抗議していると、ホーム側の長春の球迷の横なら行っていいということになったようで、みんなでダッシュ!
しかし、このときすでに試合が始まってしまっていた!これだから中超は、スタジアムについてもまだ安心できませんね。

写真は、ハーフタイム時

やっとたどり着いたコール裏です。テレビカメラがいる以外は意外と見やすいです。
この試合、長春がホームなのになぜか大連がホームユニを着て、長春が白いセカンドを着ていました。
大連はなんとかパスをつなごうとするのですが、ことごとく長春にカットされてしまい、なかなか得点に結びつきません。
逆に一瞬の隙をつかれて失点。前半終了間際にもダメ押しの2点目を献上してしまいます。

後半になるとますます大連が放り込みサッカーになって、ロングボールを前線に送るのですが、なんかかみ合わず時間ばかりが過ぎていきます。
というか、せっかく電光掲示板(に見える黒い板)があり時計が着いているのに、使われてないので残り何分か分からない!
ようやく終了間際になんとか1点返しましたが、そのまま1−2で負けてしまいました。残念。

大連の球迷は、試合が終わって、選手がピッチを後にしても、ずっと大連の歌(?)を誰もいないピッチに向かって歌い続けていました。
泣いているサポーターもたくさんいました。そんな、リーグ始まったばかりで、1試合負けたくらいで泣いてるなんて!!
ま、しかしアツイやつらです。

その後、球迷たちはまた夜行列車で帰るそうですが、私たちはヘタレなので飛行機です。
コールリーダーをはじめ球迷たちにさよならを言って、再会を約束して別れました。

飛行場へ行くタクシーで、運ちゃんが高速の出口を見過ごして高速の路肩をバックで逆送するという驚愕の体験もありつつ、なんとか無事(?)飛行場に到着。
このフライトは、中国の国内線にしては珍しく時間通りの運行で、よかったです。
帰りの飛行機は、なんと選手と同じ便でした。
大連に着くと、長春まで遠征するほどではないけどミーハーなファンが出待ちしていて、負け試合の後なのにサイン貰うやつとかいて、なんか面白かったです。

投稿者 あっこ : 2006年03月26日 23:59 | [ カテゴリ : サッカー , 中国 ]

トラックバック

※現在、スパム対策のため記事へのリンクがないトラックバックを禁止しています。スミマセン。
このエントリーのトラックバックURL:
http://panspo.s101.xrea.com/blog/mt-tb.cgi/186

コメント

この試合について、辛口評論家姜末氏は自身のブログで、やれ実徳はACLで全北に勝って浮かれすぎていただの、やれ選手が疲れていたけども何で控え選手をもっと使わないのか、だのといった辛らつに批評していました。「この試合は2点しか取られなかったのはラッキーで、相手のFWに決定力があれば4点は取られていた」なんて言ってましたけどホンマかいな、とも思ってしまいます。この姜末という人は中国のセルジオ越後と僕は呼んでいます。

ただ、同氏はピッチの状態は大連に比べると良かったと言っています。写真見ている限りでは日本の基準からは程遠いと思うんですが・・・大連ってこれよりも悪いんですかね?

投稿者 青面獣 : 2006年03月28日 19:42

写真で見ている限り、サポ同士で試合したピッチの方が緑色である分、試合会場よりずっといいように見えるのですが・・・

投稿者 青面獣 : 2006年03月28日 19:44

楽しそうで、うらやましい。いつまでもこういうピュアなサポーター達でいて欲しいね。
サポ同士が肩組んで歌っちゃうくらいなんだから、警官は要らないんだろって気もするけど…。

投稿者 インテリスタ : 2006年03月29日 01:48

>青面獣さん

自分で読み返してみると、試合の内容についての記述が4行しかないΣ( ̄□ ̄;)!!
中国にもセルジオ越後がいるんですか、知りませんでした

ちなみにサポーターが使っているグラウンドは、人工芝ですよ
大連ホームの金州体育場は(行ったけど)まだ中に入ってないので芝の具合は分かりません
今度機会があったら観察してきます


>インテリスタさん

この国で一番危険なのはウルトラじゃなくて、一般ですから!

投稿者 あっこ : 2006年03月30日 23:01

>この国で一番危険なのはウルトラじゃなくて、一般>ですから!

この言葉説得力ありますね。確かに観戦記を見ていても、相手が日本人だと判っていても結構フレンドリーですからね。とすると一昨年のアジア杯で暴れた連中というのは明らかにサポではなかった?決勝戦の日中戦のあと、スタジアムは厳重に管理されていたのに、なぜ外で騒動を起こした連中がいたのかが不思議でしたから。

投稿者 青面獣 : 2006年04月01日 00:14